風が吹けば桶屋の経済学

[ 0 ] 2022年7月17日

「経済」とは「経世済民(世を治め民を救済すること)」だそうですが、ホンマかいな?というお話です。

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ノボ・アーカイブス

ノボ辞典より

Economy【経済】名

経済とは「風」である。

風が吹くとたくさんの木の葉が舞うように、たくさんのお金が舞うのである。

風には、そよ風もあれば台風もある。

南風もあれば北風もある。

「経済学」は「風が吹けば桶屋がもうかる」ことを研究する学問である。

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風が全然ないと空気がよどみ過ごしにくい。

反対に風が強すぎると災害を招く。

数年前は「リーマン台風」が発生し、世界中に大災害を引き起こした。

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自然の風と経済の風が違うのは次の点である。

自然の風は、地球の新陳代謝の結果生じる自然現象であり、生命にとって必要不可欠なものである。

経済の風は、人の欲望の結果生じる人工現象であり、人間以外の生命にとって害悪である。

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経済を風にたとえることは、経済学を天気予報にたとえることに等しい。

どちらも、世界最高性能のスパコンを駆使しても、正確な予測などできない。

しかも、その不正確な予測・予報に従ってのみ人が行動する、ということもそっくりである。

経済学者も気象予報士も、予想を外しても罪に問われないので、実はリスクが最も少ない職業である。

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さて、風が吹きっぱなしということはない。

風がおさまると木の葉の吹きだまりができるように、お金の吹きだまりもできていく。

実はその吹きだまりこそが、大きな風を吹かせたい人の望む場所である。

木の葉の養分がしみこみ、彼らのまさに「肥やし」となるからだ。

しかし、ずっとそのままだと腐ったようないやな匂いがしてくる。

吹きだまりを好む人たちには、それが得も言われぬ薫香であるらしいが。

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「経済」はなんらかのかたちで太古の昔から存在していた。

「贈与」であったり「物々交換」であったり。

ある時期、「お金」という媒介物ができてからその速度と範囲が大きく変わった。

さらにある時期、「利子」というものを考えついた天才がいた。

その時から今に至るまで、私たちはこの「利子」を信仰している。

つまり、「濡れ手に粟のように、退蔵した金は利子によって永遠に自己増殖をし続ける」という教義を。

実はとんでもない迷信なのだが、真実を明らかにしようとする勇気ある学者はいないに等しい。

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さて、誰も大っぴらには言わないが、実は「経済」には正教と異教が存在する。

正教は「伸びよ、伸び続けよ、永遠に」と説教する。

異教は「縮めよ、お金以外の価値を求めて」と説教する。

世界の九割は正教信者のようであるが、最近「どうも腑に落ちない」と感じる人も増えてきた。

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そのように感じる人々の疑問はこんなことだ。

「私たちが小さかった頃、家にクーラーや車がある家などなかった。今よりもっともっと狭い家に住んでいた」

「今では、一人に車が一台、部屋にはエアコンがあって、勤め人の昼食はほとんど外食だ」

「昔と比べたら、多くの人が天国に住んでいるようなものじゃないか?」

なのに。。。「なぜ、こんなにも心が満たされないのだろう。いつも不安なのだろう?」

さらに、「なぜ、暮らせない人たちが年々増えるのだろう?」

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異教徒は語る。

「利益とは収入と支出の差だよ」

収入だけを考えて無理をし続けるのが正教の経済。支出をより考えて無理を減らすのが異教の経済さ

さらに語る。

「正教徒は利益をどこまでも追求するのが目的で、その後気が向いたら使い途を考える」

「異教徒は最初からあるいは道中で、利益を何のためにどれだけ必要かを考える」

正教徒は都市部をめざすが、異教徒は田舎をめざす

正教徒は大きいもの、強きものを望むが、異教徒は小さいもの、しなやかなものを望む

正教徒は数字を見て喜び異教徒は身のまわりを見て喜ぶ

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実際世界には、正教と異教のほかに、いくつもの混合教もあるのだろう。

どれがいいのかやってみないとわからない。

問題は、経済と結びついている(やっかいな)「政治」というものが正教原理主義一辺倒で、異教は弾圧されやすいということだ。

かくいう私たちのほとんどが正教原理主義者なので、その鏡像が政治の姿なのだろう。

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数千年にわたり染み付いたこの信仰に疑問を抱くことはとても難しい。

戦争やら原発事故やらを経験したが、経済の正教原理主義一辺倒は変わらないようだ。。。

今むりやり吹かせている一過性の風に気持ちよく酔い、子や孫の未来を大きく変えてしまうあれこれは、政治屋さんの好きにしていいよと、ぜ〜んぶお任せモードに切り替わったようである。

世に「経済」ほど強きものは他にないようだ。

それが「人間」にとって「生き物」にとって「地球」にとって、良いことか悪いことかはよく知らないが。

(2013.3.8)

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