馬鹿、アホ、まぬけ

[ 0 ] 2022年5月21日

けんか売ってるんじゃないんです。この三つ、ニュアンスが微妙にちがうので、その考察をしてみたいなと思いまして・・・。

高校生の頃、私は生物部でミツバチの研究をしていました。同じ部にいた同級生の弟もその部に入りました。私が三年生の時彼は一年生でした。

こいつが、まじめで純情な兄貴とは正反対の生意気な弟で、とても口が悪い。こんなことを言ったんです。

「うちの兄貴は『まぬけ』だけど、カワシマさんは『アホ』だな」と。

なんですか、これは? 普通ならぶんなぐられますよ。

ところが私は昔から「リベラル」の典型みたいなもんで、おもしろがって聞いたものです。それに、こいつ「ヒデオ」っていうんですが、柔道黒帯なもので堂々としていやがるし。

今になってですが、彼はもしかしたら「ほめことば」として使ったのかな、と思えるようになってきたんです。

そこで馬鹿、アホ、まぬけについて私論の試論を展開してみようと思い立ちました。しばしお付き合いを。

馬鹿、アホ、まぬけ

血液型のように、どんな人もこのどれかに分類できるのではなかろうか?

常にそのまんまではなくても、ヒトは三つのうち必ずどれかの傾向が強いと思う。もちろん三つは重なり合っているので完全にひとつに片寄っていることはないだろうが。

まず「馬鹿」、これがいちばん種類が多い。「仕事馬鹿」とか「馬鹿まじめ」というように「なんとか馬鹿」「馬鹿なんとか」と別な言葉とセットになって使われる。

セットにならず、ただ「馬鹿」と言われるときは「本当のノータリン」または「恥ずかしい(あ〜ら、馬鹿ん)」ということだ。

「馬鹿」は「夢中」「まじめ」「一徹」という意味を持っている。

つぎに「アホ」はどうだろう?これは単独で使われることが多い。理解不能なことを考えたり行うヒトによく使う。「そんなアホな!」「よくアホなこと考えるものだ」とか。

「アホ」は「独創的」「芸術的」「個性的」という意味を持っている。

最後に「まぬけ」、これは「ねじが一本抜けている」ことをいう。

「まぬけ」は「人がいい」「大らか」「したっぱ」「軽いノータリン」「毒にも薬にもならない」という意味を持っている。

以上、私の乱暴かつ勝手な解釈だ。

さて、これがどういう人格、人生につながっていくのか? 血液型にたとえて考えてみたい。

「馬鹿」は血液型でいえば「A型」だ。日本人では一番多いし、実社会で上に立つ人というのは、たいがいこの「馬鹿」に分類される。

馬の字が入っているのは偶然ではない。馬のようにくそまじめで、使われる能力も高い。政治、経済のように現実的な仕事とか科学技術などお堅い仕事につく人が多い。ただ、視野が横(世界)にも縦(未来)にも狭いのが難点である。

「アホ」これは「B型」である。独創的、天衣無縫な明るさがその特徴だが、自己中心的で、世を変革するところまで至らない。変わり者で終わる人が多い。これは実にもったいないことだ。まれに芸術家とか作家になる人もいる。

しかしアホは馬鹿より視野が広い。空の上から見ることができる。「アホウ鳥」というではないか。

「まぬけ」これは「O型」、もともと天真爛漫で人間性が一番豊かな人たちがこの分類だ。現代社会はとても複雑になってしまったので、この分類の人は生きにくくなっている。実際「O型」はアフリカの方々とかインディアンの方々に多いらしい。職業的にはスポーツ選手とか。

まぬけは、包容力がだれよりもある。なぜなら入れ物が広いからだ。「まぬけの空(から)」といわれるゆえんである。

「AB型」を表す言葉はなんだろう?「とんちんかん」かもしれない。けっこう独りよがりな人も多いようなので。

AB型はA型とB型の混血であるように、「とんちんかん」とは「馬鹿」と「アホ」の混合である。

さて、この私論で何を言いたいかというと、私たちの営みはすべて「馬鹿」「アホ」「まぬけ」がその本質なのだ、ということである。

だから何ごとも、信じすぎたり、崇めすぎたり、絶対だと思ったり、そんなことをしちゃいけないのだ。それは致命傷になってしまうのだ。

しょせん馬鹿、アホ、まぬけ三兄弟のどれかにしかすぎないのだ。人が考えることなんて。

三兄弟の中でもとくに「馬鹿」があぶない。馬や鹿であって鳥ではない。もともと地べたからしか見えないのだ。そのくせプライドが高く競争性能が高いので、偏った勉強をした馬鹿はとても危険だ。それを自覚しないといけない。それが「謙虚」ということだ。

でも、「馬鹿」「アホ」「まぬけ」って人間臭いし可愛いじゃないか。自分たちがそんなものだと思えたら、自然やほかの生き物たちともっともっと仲良く暮らせそうじゃないか。それで十分じゃないか。そんなふうに私は思う。

チャンチャン。

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