「トトロの住む家」と街づくり

[ 1 ] 2011/02/10

「新しい街づくり」のヒントがいっぱい

宮崎駿さんの画文&写真集「トトロの住む家」(増補改訂版)が出版されました。
その本には「人」と「自然」と「地域」が重なり合い、子供がいきいきと遊べる「新しい街づくり」のヒントがたくさんありました。

totoro3.jpgのサムネール画像

袋小路の私道をみんなの庭にしてしまう

私がこの本で一番印象に残ったのはこの絵です。レトロはいいなという懐旧感だけでなく、実際に生きた街づくりに応用できるのでは?と感じたからです。以前書いた「お年寄りと子供だけの商店街」と発想が似ている気がしました。一緒に組み合わせるとよりおもしろいのではと思います。

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爺さん保育士がいる公園

それと、このような袋小路公園ができたら、そこに「爺さん保育士」を頼んだらどうでしょう。保育士というと若いお姉さんたちだけというイメージですが、街中や自然の中も保育所というふうに捉えると、爺さんたちはうってつけではないでしょうか?子供たちはきっといきいきするでしょう!だって昭和30年代、私たちがまさにそうだったのですから。

「世の不思議」をただよわせる家がいい

ここから宮崎駿さんのお話です。「トトロの住む家」から引用します。

ぼくがどんな家に興味を持つかというと、それは「闇」みたいなものがある家ですね。それを作った人や住む人の、心の襞(ひだ)の奥行きが感じられるような。庭はね、庭はちょっと荒れた感じのがいいですね。地球全体で緑を育てよう、いい感じの空間をつくろうという見識を持っているのがいいですね。わが家の庭木だけを丁寧に刈り込んでいる家を見ると、ぼくはいじましさしか感じないんです。

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今のような時代、特に東京なんか、何とか残った庭も、敷地いっぱいに建てた家にまわりじゅう包囲されている状態でしょう。本当に植物が好きな人なら、そんな庭でがんばっている木がいじらしくて、切ったり型にはめたりできなくなるはずです。ちょっと庭が荒れているというのは、庭の植物を育つままにさせておくからです。住んでいる人の心根がとてもよくわかる

totoro4.jpg今ふうの家というのは、意匠なき画一化の結果です。屋根の勾配ひとつ取ったって、それは工業規格にのっとって決まっただけのことで、そこに誰の主張も美意識も反映されてはいない。これで退屈にならなきゃおかしいくらいです。おまけにどんどん密室化されていっています。

庭はブロック塀で囲み、家はアルミサッシで外界を遮断する。あれは音や、湿度や、虫や、そして他人とも関係を絶ちたいという願望の表れなんでしょう。それでエアコンの排気やらゴミやらの迷惑は、外に吐き散らしている。

こんな、お隣が何をしているのか分からないような生活が、いったいいつまで続くものか。うっとうしいことがあったって、近所とどこかでつながってくらしていくほうが、結局は楽だと思うんですがね。

投稿者:ノボ村長 エリア:独創研究所 初出:2011/0210

Category: 大切みらい研究所, 新しい街づくり

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  1. ゴリ より:

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