川を下る船たち

[ 0 ] 2016/01/06

『川原の石ころ図鑑』なる本を買いました。

日本全国の代表的な川にある様々な石を紹介しています。

川によってこんなに石の種類が違うんだ、とあらためて身近な自然の多様性に驚いてしまいます。

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『詩集ノボノボ』より

川を下る船たち

『川原の石ころ図鑑』を開いた

見たことある石がいっぱい

堆積岩、火成岩、変成岩・・・

学校時代の理科や地学の教科書を思い出す

天気がいい日 石ころ観察したいなと思う

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やがて 石ではなくて

川についてのあれこれが

脳裏のスクリーンに現れてきた

私のふるさとの川は 江合川(えあいがわ)

小さい頃は泳いだり魚釣りしたり

遊びのネタがないときは石ケリも

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時代は変わり  川岸には河川公園

土手道は舗装された自転車道

ところが

まわりはいくら変わっても

川は流れ続けている

昔のままに ゆっくりと

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私の生まれ育ったところは

「御蔵場(おくらば)」という地名

昔はここで米を船に積み

石巻まで下ったらしい

上りはどうしたのかといえば

船に長い縄をかけ

土手道から人や馬でひっぱたらしい

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川と船 想像はふくらんでいく

昔のいかだや丸木船

黄河を下るジャンク船

ミシシッピー川を下る蒸気船

さまざまな船が川を下っていった

人の歴史や文明とともに

人のあこがれや欲望とともに

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同じ川をいろんな船が下っていたら

どんなだろう

少し似てるんじゃないか?

社会や人生のありさまと

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ここは空想の大きな川

私が乗っているのは 小さなポンポン蒸気船

まわりにはカヤックや手こぎのボート

ヨットもあるな~

それぞれいろんな工夫や飾りで楽しそう

川岸にも停泊する船や休憩する人たち

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さまざまな船が行き来するこの川は

まさにこの世そのものだ

川に浮かぶ いろんな船は

一人一人の生き方だ

ゆっくりと自然に親しみながら進む船

手作りの操縦を楽しみながら進む船

多くの荷物を積み一刻も早くと進む船

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ふと思いだした

何十年も前 友人と松島湾で

手こぎのボートをこいでいた

そのとき遊覧船がやってきて

大きな波がボートを揺らし

とても怖い思いをした

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この空想の川にも

突然大きな波が立ち始めた

小さな船が大きく揺れて

いっせいに緊張感が走る

鋼鉄の大きな蒸気船が

すさまじい速度で川を進んできたのだ

何隻も何隻も わがもの顔をして

黒煙を上げ汽笛を鳴らしながら

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時代は進む

船はますます巨大化していった

川はもう大きな船だけになってしまった

小さい船はあおられて転覆してしまうのだ

だから今では

みんな大きい船に乗っている

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船員も乗客も

景色がどうであろうと

川や川岸の生態がどうであろうと

一向に気になどしない

気にするのは

いつ河口に着くかと船の料金だけ

自慢するのは

自分が乗っている

船の大きさと 船の速度だけ

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もはや思いだす人などいない

かつてこの川に

様々な船が浮かんでいたこと

川岸からは鳥の声、笑い声が

聞こえていたことなど

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しかし 川は流れ続けている

昔も今も変わりなく

実にゆっくりと

世の中がどう変わろうとも

→ノボ村長の「思い出アルバム」

→ノボ村長の「詩集ノボノボ」

Category: キラっと輝くものやこと, 伝えたいこと, 大切なこと

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