愉快な町の「ショップハウス」
ぜったい住みたくなる「愉快な町」。今日のご案内は「みんなの場所」にあるユニークなフレキシブル店舗「ショップハウス」です。「新しい自営」の可能性に、若者もお年寄りも期待満々ワクワクです!
「愉快な町」のご案内はこれで4回目。だいたい10回くらいまで続くと思うんです。みんなの幸せを育む、まったく新しいコンセプトの町ですからぜひお付き合いのほどお願いします!
初めての方はこちらからお読みください。
愉快な町のヘルプハウス
愉快な町 その2
愉快な町 その1
「シェア」を発展させた商店街
さて、「ショップハウス」は「みんなの場所」ゾーンにあります。
ここは「新しい自営」の実践場所です。この町以外の店主もいっぱいいますよ。それに順番待ちもある。なぜ?
それは、「愉快な町」というのがすべての面で「シェア」を基本理念としてることに理由があるんです。
具体的にいうと、一つの店は基本的に3人のシェアショップなのです。
シェアパターンはメンバー同士、様々とりきめしていいんですが、例をあげるとこんな具合です。
午前4時から午前10時までここは「焼きたてパンや」さんです。
午前10時半から午後2時までここは「日替わりランチハウス」です。
午後3時から午後8時までここは「学習塾」です。
こんなふうに3人(3店)が共同利用します。
今、午後9時から午前3時まで「デザイン事務所」が借りたいといってます。
曜日のシェアもある
驚くなかれ、曜日のシェアもあるんです。実はパン屋さんは月・水・金の店、火・木・土の店、それに日曜日だけの店と3店も入っているんです。洋風パン工房、玄米パン工房、ピザハウスとね。
ですから正確に言うと現在5店で借りていることになるわけです。
こんなふうにシェアできるから、家賃10万円は5店で割ると1店当たり2万円です。
気のあった連中と、家賃予算や稼働日を調整してできるんです。
町の多機能管理システム「地域コンビニ」が、常に申し込み受け付けやらコーディネートをしてくれますから当事者間のトラブルはありません。
ショップハウスがまるで小さな町のよう。
これからは巨大な建物、広大なスペースは、もうはやらないんです。
だいたいムダな在庫が多い。ムダなエネルギーを使う。それに歩いて探すのがとても大変。
これからのお店は、「交換を通した人と人とのふれあい」こそ価値になっていくのです。
そんなわけで、「ショップハウス」はとてもアットホームな設計になっています。
「愉快な町」の基本コンセプト「シェア」は、町全体にも、各ゾーンにも、各建物にもすべて同じ構造がはめ込んであるのです。
「ショップハウス」には中庭があります。町に住むおばあさんが花壇の手入れをしています。週三日、一回1時間、もちろん有給で。
噴水もありますね。子どもが手に水を受けて飲んでます。濾過システムが組み込まれていますから安心です。
そのまわりには、お客さんがくつろげるベンチスペースがあります。まるで南欧のレストランでよく見る戸外のベンチを中庭側に設置したような設計です。
その周りに少し迷路っぽくして、だけどすべてが解放されているショップスペースが10室あるんです。一軒はだいたい10から20畳くらいでしょうか?
シェアを成り立たせる仕掛け
パン屋が食堂へ?さらに食堂が学習塾へ?そんなのできるわけないでしょう?設備だって大変だし・・・。
このブログを書いている私は、様々な職を遍歴しました。その甲斐あってか、こんなアイデアはたやすく実現可能と確信しているんです。
たとえば大きな和風観光旅館では、洋式の結婚式もあれば和式の大宴会もある。「どんでんがえし」といって、当たり前のように一気に会場を変身させています。
昔の家庭もそうでしょう。食事の場所になったり寝床になったり。つまり元々私たちの暮らしのスタイルが多機能フレキシブルだったわけです。
この「ショップハウス」もそんなフレキシブルが成り立つように設計されているんです。
つまり大型機械が必要な場所はまとめて一カ所用意してある。倉庫も移動棚とロックシステムが一カ所にまとめて設置されてある。店舗に組み込まれている大きな床下収納スペースもスピーディーなどんでん返しを助けています。
だから、お客様との交換(物と金)をなす店舗のメインスペースはレイアウト変更などあっという間にできるのです。
壁だってロール式ですから、ロールを上げたり下げたりで全く別ながらが出てきます。リバーシブルっていうんですかね。
あとは店同士の備品のシェアもありますし、店と各家庭との家具のシェアなんかもありますね。アットホームがコンセプトなので違和感がないし、住民、店主どうしの親密さも増すのです。
デパートもびっくりのバラエティー
ということで、10店舗に最低3店シェアだとすると30店舗がこのショップハウスで開店しているということになります。
デパートもびっくりです!
さらに商品のバラエティーも豊富です。ここは「売りたいものを売る」だけではなくて「買いたいものを売る」んです。
当たり前だって?そうじゃないですよ。今の大多数のお店はよく言っても「買いたいだろうな?を売る」なんです。
ここでは、店舗は「売る」だけではなくて「相談に乗る」「調べる」「取り寄せる」を個々人毎にきめ細かく行うんです。
つまり「店売り」と「通販」のよさを併せ持つんです。
そしてコンセプトは「本当のマイショップ」なのです。
いつも使っている何とかブランドの小瓶の醤油、それはこのショップハウスで、その家の使用サイクルに合わせて常においてあります。
店つくりも商品揃えも店主と買う人が友達のようにして、あれこれ自由に変化させていきます。
「一緒に創造する喜び」です。これこそ究極の買い物の楽しみでしょう。
若者と年寄りが微笑む。子どもだって。
若者はいま勤め先がない。商売しようと思っても家賃が高すぎる。開業する金がない。
しかし。。。バイタリティーがある。
お年寄りはすることがない。お金はあっても使い途がない。(もちろん反対の人も多いのですが、比較的という意味で)話し相手もいない。
しかし。。。経験がある。
「愉快な町」の基本理念は「あらゆる世代の幸せづくり」なんです。
「ショップハウス」は若者とお年寄りのコラボの場所でもあるんです。
たとえば、パン屋さん。朝早い仕事です(豆腐屋もそう)。お年寄りは早起きです。パン焼きスタッフはお年寄りも数名入っていますよ。
たとえばランチレストラン、毎日パスタじゃ客層は限られます。曜日毎に昔風の和食ランチ、手打ちの蕎麦の日もあるんです。蕎麦打ちはじいさんにまかせて。といったところでしょうか。
というわけで世代間コラボは人件費も節約できるし客層も広げられるし、何より飽きない(商い)でできます。
子どもアルバイトも大いに使いましょう。町はソフトカー以外の車は走らないとっても安全な町なので、子どもは自転車に乗って御用聞きと配達です。お小遣いでなにをしようかな?
どんな店がほしいか最初に決める
多くの店が途中でやめざるを得ないのは、このどちらかの理由です。「売上が足りない」か「コストがかかりすぎる」か。これを解決するしくみがあります。
「愉快な町」というのはつくる前に工夫があるのです。それは事前の調査とそれにともなう住民たちとの最小限の契約です。
さらに、このショップハウスは「地域コンビニ」と同様に町の住民も出資していますから、ショップハウスの繁栄が自分たちに還元されるのでみんな熱心です。
この地域にどんな店があってほしいのか、もしそういうお店があればどれくらい来てくれるのか、どうすれば固定客になってもらえるのか。
それらを事前調査のうえ、ある程度の約束というか軽い契約(たとえばプレミアム商品券の割り当てとか)をしたうえでショップハウスの募集をするのです。
それはこの町の住民になろうと申し込んだ人優先ですが、ほしい店をする人がいない場合は全国的に公募します。そしてメンバーをコーディネートします。
ですから、失敗の確率が低いのです。また地域住民が自営をするという場合、それだけ一本で生活しようとする人はあまりいません。
夫がサラリーマンの奥さんとか、同居している息子や娘とか、年寄り世帯とか、つまり店からの収益が月10万もあればokという人が中心となります。
兼業とか組み合わせとかも「愉快な町」では大事なコンセプトなのです。
いろんな仕事を組み合わせる
自営だけでやっていきたいという人について考えてみましょう。
愉快な町を活用した自営というのは、「利益を増やす」よりも「支出を減らす」が優先したコンセプトになります。
それは、「逆境に強い自営」につながります。そのための「シェア」なのです。
たとえば、店賃や住居費を合わせて月10万円減らせたら月30万の利益が月20万の利益で足りるようになります。
そうすると、副業的なものを組み合わせるにしても大した利益は不要になり、無理のない仕事を選ぶことができるのです。
月3万円儲ける副業を二つ組み合わせればその6万円は余裕になります。
シェアをすることで生まれた時間は宝の山です。
その時間を「無理のない副業」に充てていきましょう。たとえば、パン屋さんならパンの行商です。喫茶店とかに卸したりするのです。あるいはパン焼きスクールです。空いてる日をもう一つの別な「愉快な町」で開業してもいいでしょう。
あるいは、全く別な副業も楽しいでしょう。たとえば健康な鶏を飼育して健康卵を配達するビジネス。この卵はパンにも使いますから一挙両得です。
もっと、極端な副業はこんなのも。夜の学習塾も自分で行うとか。あるいは家造りのお手伝いをするとか。
愉快な町ではできるだけお金がかからない、だけどかえってユニークで楽しい。それを実現していくのですが、マイホームもそうです。基礎以外は自分たちでつくりたいという人も多いのです。
そうするとそれは建築会社に丸投げではなくて、建築チームと一緒に建てるということにつながります。
建築チームのスタッフは愉快な町の住民が優先ですから、そのチームに入ってお手伝いをするのです。
月3万円儲けるビジネスなんか考えたら山のように出ますし、時間も手間もあんまりかからないものです。それらを副業的に組み合わせれば、この町では優雅に暮らしていけます。
考えてみましょう。私たちの親の世代は多くの家で兼業をしていたんです。昔の農家なんか農業、畜産、野菜の行商、織物、食品つくり、なんでもやってたんです。
それが本来当たり前だったんですよ。「仕事があって私たちがある」ではなくて「私たちがあって仕事がある」のコンセプトが大事だと思うんです。
もっともっと書きたいのですが今日はここまでで見学会は終了です。
投稿者:ノボ村長 エリア:独創研究所 初出:2011.12.28 更新:2012.1.27