八十一歳のベンチャー=夢考房=
八十一歳のベンチャー=夢考房=
先週の朝、出勤前に見た東北放送テレビでびっくりです。なんと81歳の現役バリバリベンチャーが近くにいました。私の住む涌谷町から一時間くらいで行ける七ヶ浜町に住んでいらっしゃるということで、この前の土曜日に実際にお会いしてお話を伺ってきました。
七ヶ浜町の少し郊外に、その研究所はありました。アースマシン開発研究所=夢考房=です。
隣には奥さんが切り盛りしている焼きそば屋さんが並んでいます。まずは奥様のお店に行って、ご挨拶と腹ごしらえです。
テレビでは、29年間にわたり、奥さんがこの焼きそば屋さんでご主人の研究開発人生を支えてきたと紹介されていました。実に明るい奥さんで、土曜日のお昼前なのに若い二人連れが食事をしながら奥さんと一緒に親しそうに話したり厨房に勝手に入ったりしています。店内を見回すと書き込みメモがびっしり!これらは近くの中学生や卒業生が書いたそうなんです。
奥さんは中学生たちの放課後のおふくろさんとしてとても慕われているようでした。
私もおいしい焼きそばをいただいた後、奥さんから連絡していただいて、いよいよベンチャーご主人とご対面です。研究所とご主人のお名前は「アースクリーン開発研究所」所長黒木忠春さんといいます。名刺にはさらに、「クリーンエネルギー」、「夢考房」という文字が印刷されています。
水上スキーやら、前進オールやら様々な発明をされてきたようです。中には特許を取った発明もあってその認定書なども見せていただきました。
しかし、黒木さんのライフワークは、研究所の名前のとおり、万有引力以外のエネルギーを必要としない自家発電装置の開発なのです。
もう10年も試行錯誤を続けているそうです。何が黒木さんをこの研究に駆り立てるのか、話を聞いてその思いに共感しました。
「私は福島県浪江の田舎で生まれました。兄弟が多く生活は大変でした。ある日家に一つしかない電灯がつかなくなったので父にどうしてと聞きました。父は電気料が払えなかったので電力会社が電線を持って行ってしまったんだ、と言いました。子供ながらに悔しくて、いつか金のかからない電気をつくるぞと決心したんです」
黒木さんは決して夢想家ではありません。小学校を卒業してから独学で機械設計を勉強し、石川島播磨重工に勤め、さらに縁あって塩竃に引っ越し、ここで大型船の設計、鉄骨加工の会社を経営していました。従業員は多いときは40人もいたそうです。ところが200海里問題をきっかけに造船業が衰退し、黒木さんも会社をたたむことになりました。それからの29年間がこの夢考房の歴史です。
「私の研究が物理の法則に反するという人もいるんですが私はそうは思いません。万有引力というエネルギーで動かすことはできると信じています。でも難しすぎる計算はとてもできないので、実際につくりながら実験しているんです。今年には何とか完成させて東京のビッグエッグみたいなところで大々的な発表会をしようと思ってますよ」
黒木さんは、年齢より20歳は若く見える表情と言葉で夢を語ってくれました。
投稿者:ノボ村長 エリア:おもしろ工房 初出:2011.3.4
すごい!!感動です。
いろんな苦労もあったでしょうに、それでもめげずに自分の夢を追い続ける。
素晴しいです。
勇気をもらいました。
自分もどんなに年をとっても、希望を持ったベンチャーでいたいものです。