〈CM天気図〉党名診断

[ 0 ] 2012年11月21日

〈CM天気図〉党名診断

■天野祐吉(コラムニスト) 朝日新聞2012.11.21

 衆院選の広告合戦が始まった。来月の投票日まで、各党のCMやらスローガンやら党首の発言やらを見ていこうと思う。政策は似たり寄ったりでも、広告のセンスにはかなり違いが出るものだ。

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 ということで、まずは最近の党名のネーミング・センスから。昔の人は「名は体を表す」と言ったものだが。

 (1)志士気取り型。言わずと知れた「日本維新の会」。国を憂える悲壮感や使命感が売り。決起の意気込みが党名にモロに出ている。勢いはいいが、男の「生きざま」なんて言葉が出てきそうなところが、ぼくは苦手。

 (2)消費者は王様型。「国民の生活が第一」や「国民新党」など、「国民」がいちばんエライんだという主張が前面に。昔「消費者は王様」という広告があったが、消費者は結局「裸の王様」だった例もあるから油断は禁物。

 (3)お友だち気分型。「みんなの党」とか「みどりの風」とか。「国民」を「みんな」、「自然」を「みどり」と言ったところに、工夫の跡が。ただし、しゃれた分だけインパクトは弱い。

 (4)新製品強調型。「新党大地・真民主」「新党日本」「新党改革」など。新党が一つならいいが、こうも並ぶと新しさの安売りみたいに見えてしまう。で、違いはあまりわからないという結果に。

 (5)ヤケッパチ型。「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」。わけのわからない党名たちへの批評にはなっているかも。

 というわけで、党名をざっと見てきたが、今回は党があまりに多くて、結果として党の実体が見えてくるものがあまりない。いっそ「小沢組」とか「石原組」とか、組長、じゃない党首の名前を党名にしたほうがよかったりして。

投稿者:ノボ村長 エリア:キラこと 初出:2012.11.21

 

Category: おもしろいこと, キラっと輝くものやこと

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