幸せのタイミング
何ごとにも旬があり。年末年始は笑って楽しく過ごさないと損ですよね〜。
ノボノボ童話集
幸せのタイミング
彼の葬式が済んだ後、
親しかった友人たちは、だれもがこう語った。
「彼ほど幸運な奴はいなかった。
けれど、彼ほど不運な奴もいなかった」
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彼の幸運とは?
彼は億万長者になった。
彼はマドンナのハートを射貫いた。
彼は独創的な発明をなした。
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彼の不運とは?
彼が宝くじに当たったのは、
亡くなる1年前だった。
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マドンナが彼に結婚を迫ったのは、
彼女が3回目の離婚をした後で
もう60歳を過ぎていた。
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彼がなした独創的な発明とは、
超省エネの電球だった。
すでにLEDの時代になっていた。
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最後にかれが得た幸運は、
この世の真実を見つけたことだった。
「人生は料理と同じなり。
どんなご馳走も、冷めてしまえばまずくなる」
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外はとても寒かった。
友人たちは、コートの襟をよせ、
「彼の弔いに一杯やろうぜ!
飲めるうちに飲んでおかないとな〜」
「そうそう、あの娘のいるあの店で
盛り上がろうぜ!」
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