窓をふく人、みがく人
もう7,8年前のことですが、人の親切にとても心を動かされたことがありました。
その日の昼、車を運転中にタイヤがパンクし、バースト状態となってしまいました。
なんとか近くのコンビニの駐車場に入れましたが、私は股関節に障害があるため、これから行うタイヤ交換に暗鬱たる気持ちになっていました。
それでも意を決し、十数年ぶりにタイヤ交換作業をしようとしたとき、そこに救いの神がやって来ました。
トランクを開けて予備タイヤを出そうとしていたら、建設作業服姿の三十代くらいのお兄さんが走ってやって来たのです。
「手伝いますよ。私がやってあげますから」
私のビッコタンコを見たからでしょうか?
私は申し訳ない気持ちでしたが、言葉に甘えてお願いしました。
そのうちトラックに同乗していたやや年配の方も手伝いに来てくれて、あっという間に作業は終わりました。
「何と感謝していいものやら。。。本当にありがとうございました」
「いえいえこの町の者ですから」という返事。
親切心が少し希薄になっていた私は、わが身をとても恥ずかしく思いました。
このような親切を受けると私もだれかに返さねば、という気持ちが自然と出てきます。
こういうことこそ「社会」というものの本質なんだな〜と、つくづく知らされた日でした。
そして、手伝ってくれた方はきっと「よごれた窓をふく人」に違いないと思ったのです。
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このシリーズは脚本:私ノボ村長、絵:同級生ゴリランジェロ氏のコンビで作成しております。
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