歴史は行きつ戻りつ
「現在、過去、未来♪・・・ひとつ曲り角ひとつまちがえて♪ 迷い道くねくね♪」
日本歴史の本を読んでいたら、渡辺真知子の「迷い道」が脳みその中で流れはじめました。
歴史は上向きの一本道じゃないよ、上がったり下がったり「迷い道くねくね」だよ、ということを教えられました。
岩波講座「日本歴史」第6巻「中世1」にこんなことが書かれていました。
逆行の経済史
「市場経済」は、「近世」よりも「中世」のほうが進んでいた。
(近世=おもに江戸時代 中世=平安時代後期から豊臣政権誕生の頃まで)
・中世では「割符(さいふ)」とよばれた高額手形が流通していたが、16世紀初等頃を境に「割符(さいふ)」は消滅し、債権、物権の移転例は激減した。
・中世では大量の中国銭が流入したことがきっかけで年貢の「代銭納税」が進んだが、16世紀後半にはその終焉と「現物納(米納年貢制)」が復活した。
・17世紀後半には「中国銭」の使用を禁じ、銭貨を国産の「寛永通宝」に一元化し、それまで500年間にわたって続いてきた「中国銭経済」が終焉した。
新しい時代は過去の到達点から出発するという無意識の思い込みに、軽くジャブが入った感じです。
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こんなことも書かれていました。
誰も死なない「いくさ」
戦国期の戦いは基本的に誰も死なない牧歌的な戦いであったのにたいし、織田信長のころから壊滅戦に変化する。
昔の戦というものに累々たる屍の戦場をイメージしていた私には驚きでした。
ネットで調べるとたしかにそのようであったようです。
なにせ兵隊の多くが農民なので、大勢死んでしまうと米がとれない。
つまり戦に勝っても国が滅びてしまうわけです。
ですから多くの人数を集めて虚勢を張り、相手に戦いをあきらめさせるのが戦法だったらしいんです。
互いに「戦わずして勝つ」が暗黙の了解みたいだったようですね。
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男尊女卑についてはどうだったのでしょうか?
中世はまさに男尊女卑の野蛮な時代だったという先入観がありますが、これまた誤解であることを以前知りブログに書きました。
実は世界でもまれな「女尊男卑」の時代だったのです。
戦国時代はカカア天下
・日本では妻が前で夫が後ろを歩く。
・妻が夫に利息を付けて金を貸す。
・女性から言い出す離婚がかなりある。
・女性がへべれけになるまで酒を飲む。
・日本では男性が料理をしている。
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少し堅い本を読むと、堅いだけに味の濃い知識を味わえるようです。
そして良質な読書により「今までと違った視点を得る」ことこそ、真の「教養」といえるのではないかと思うのです。
「今までと違った視点」こそ、新しい世界を創造するためにもっとも必要なことではないでしょうか。
by ノボ
Category: キラっと輝くものやこと, 伝えたいこと