「行って来ます」っていいな。

[ 0 ] 2015年3月15日

小学校四年生の女の子が書いたとってもいい詩を読みました。(故)川崎洋さんが『ことばの力』という本の中で紹介していました。

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子どもって、なんていい詩を書くのでしょう。

江利子ちゃんは東京の小学校四年生。

お姉ちゃんは中学生。

ひさしぶりにお母さんがいる朝、

「行って来ます」という江利子ちゃんの明るい顔が目に見えるようです。

もしかしたらお父さんがいないのかもしれません。あるいは単身赴任かも。

目がしらがすこし熱くなってきます。

「行って来ます」っていいな 大内江利子

お母さんが出かけるのは

八時五分前

一番早く家を出る

わたしは、お茶わんを洗いながら、

「いってらっしゃい気をつけてね」

と、声をかける

つぎに、ドタドタと

おねえちゃんが出て行く

わたしは、一番後

ランドセルをしょいながら

水道を止めたかな?

ガスの元栓、大じょうぶかな?

と見て回る

わたしを送ってくれるのは、

かぎをしめるカチャンという音だけ

時には、かぎを閉め忘れたかなと

途中からひき返すこともある

今日はお母さんがいる

「行って来ます」

と、わたしが言う

「行ってらっしゃい」

と、お母さん

行って来ますっていい気持ち

なんだかとってもいい気持ち

江利子ちゃん、お姉ちゃんよりもしっかりしていそうですね。

だけど毎朝家を最後に出るのって、とってもさびしかったことでしょう。

お母さんがいる今朝は、どんなにうれしかったことでしょう。

この詩が雑誌『いちごえほん』に掲載されたのは1981年だそうです。

ですから江利子ちゃん、いや江利子さんは今では四十四歳のはずです。

女のお子さんがいらっしゃれば、この頃の江利子ちゃんより年上かもしれませんね。

きっと毎朝、「行って来ます」という元気なあいさつが響いていることでしょう。

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ユーモアのアンテナ
ケストナーと美智子様

by nobo

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