祖母が母親代わりだった冒険家

[ 3 ] 2011年2月1日

冒険家 白石康次郎さんのこと

はじめまして後藤です。昨日、イオンの賀詞交換会がありまして、記念講演の講師として白石康次郎さんが招かれ、1時間半の講演を聞くことができました。とても感動したので皆にもぜひ知らせたいと思い筆を執りました。

白石さんのプロフィールは下記の通りです。siroisi.jpg

白石康二郎さんのホームページ 

1967 神奈川県鎌倉市に生まれる
1993 26歳で176日間史上最年少単独無寄港世界一周記録樹立
 1997 「レイドロワーズ」南アフリカ大会出場 日本人最高11位
 1999 「伊豆アドベンチャーレース」プロデュース
 2006 「VELUX50CEANS」クラス1 2位入賞
 2008 双胴船にてサンフランシスコ~横浜間の世界記録更新

母親のいない子供時代

彼は少年の頃、船で海を渡ることを夢見ていました。1967年に次男坊として生まれ、間もなく下に妹が誕生する3人兄妹の真ん中です。父親は昭和5年生まれの戦争体験者で保険会社に勤務するサラリーマンです。5歳で母親が交通事故で他界し母親の記憶はありません。明治生まれのお祖母さんが母親代わりになって彼を育てたそうです。子供の頃は野球少年だったそうですが、鎌倉は海が近く海を眺めていると、海の向こうに限りない夢を抱くようになったそうです。母親の居ない家庭なので小さい頃から学校から戻っても、お腹が空いたらインスタントラーメンは自分で作る、自分の洗濯ものは自分でするなど、それが白石家の流儀だったそうです。母親代わりのお祖母さんの作るお弁当は「明治の人のお弁当でいつも地味」でかっこ悪かったそうです。だから華やかお弁当の同級生が羨ましくもあったようです。でも年齢が増せば、祖母の母親代わりが理解でき、寂しいという気持ちは無かったそうです。父親は子供の相談に対してイエス・ノーは言わない人で、最後は自分で決めろという人だそうです。

海へのあこがれ

中学卒業後の進路は水産高校を選んだそうです。その理由は船に乗ってハワイに行ける機会に魅力を感じたからです。彼の中学からは水産高校への進学は前例が無かったので、先生は考え直せと言ったそうです。高校での航海訓練の授業では、先生たちの厳しい特訓が続いたそうです。この厳しさは彼の生涯の宝ものだそうです。また在学中は無線の資格、ボイラーの資格、溶接の資格など取れる資格は全部を取得したそうです。ですから卒業後の就職にまったく心配が無かったそうですが、それを断ち切り、小さい頃からの憧れの海を目指し、彼はヨットマンの多田雄幸氏の弟子入りを現在に至っています。

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生きる軸足をしっかり定める

彼がヨットマンとして大成した原因には様々なことがありますが、育った家庭は華やかではないけど、子供達に厳しく温かであったこと、高校の先生は大変厳しく心を鍛えてくれたこと、師事の多田氏との師弟関係が人間味に溢れていることなどがあげられます。彼は講演の中で 「社会では就職難だといっているが 実は自分が好きな仕事がないので就職できないとか、給料や待遇が物足りないとか、そのようなことで仕事に就かない人が多い、お金は無ければないで欲しいもの限定されて、むしろ落ち着いて暮らすことができる。楽しく仕事がしたいということが、何処でも彼処でも聞こえて来ますが、我慢や苦労の無い仕事など存在しない、生きる軸足をしっかり定めて志しを貫くこと、あるがままの自分をしっかり見つめることが大切だ  と力説しています。

鋭く心に突き刺さる彼の講演

鋭く心に突き刺さる彼の講演はとても感銘深かったです。自分のあるがままに受け入れ、そこから自分の道を切り開くことが、万の小手先の生き方に勝ると私は理解しました。久々に気分爽快になる講演を聴くことが出来ました。

投稿者:後藤光博 エリア:キラこと

Category: キラっと輝くものやこと, 伝えたいこと, 大切なこと

Comments (3)

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  1. くま より:

    ぜひ、生で聞いてみたかったです。
    「お金が無いほうが、むしろ落ち着いて生活できる。」
    普通の人が聞いても理解できないのだろうなぁ。
    (自分は変わっているといわれるのが快感の変人なので・・・。)
    目の前にあるものを見ざるを得なくなり、そこからの発見も増えて、深さも感じられて、逆に世界が広がるのかもしれないなぁ。
    この方は、一般的に言うと、自分自身をしっかり持っている。
    自分的に言うと、自分自身をよく見ている、知っている。
    と思いました。
    私自身は、ずいぶん遠回りをしている気がしますが、一番大切な自分自身にまっすぐにありたいなぁと、これを読んで強く感じます。
    なんか、爽快感があって気持ちいいんですよね。
    たくさんの苦労をしているはずなのに、それを感じさせないほど、自分らしく生きているからなのかなぁ。

  2. たかはしのりひこ より:

    35年前の大学生のとき、植村直己さんの講演会に行ったことを思い出しました。
    懐かしいです。
    冒険しなかったですね・・・
    残念!

  3. ノボ より:

    人生そのものが冒険!これからですよ。
    タモツから夕焼け写真でノスタルジアかきたてられました、とメールありましたよ。また感動写真など送ってください。待ってます!

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