森と風のがっこう

[ 0 ] 2011年9月20日

「森と風のがっこう」レポート

くまです。行ってきました!!
以前から興味があった岩手県葛巻町という、自然エネルギー(クリーンエネルギー)推進の町で活動をしている「森と風のがっこう」 という、NPO法人 岩手子ども環境研究所 運営の自然エネルギーをテーマに掲げ、実践し活動を広げている団体があります。

以前から行こうという話になっていたのですが、東日本大震災で流れていました。
この日は、台風が近づいていたこともあって、天気が心配だったのですが思い立ったが吉日!!
せっかくのチャンス、行くしかありません!

ノボ村長と朝早くから待ち合わせ、いざ出発です!!

車で4時間の長距離ドライブですが、仲間と一緒だと楽しい時間になります。
案の定、行きの車の中では話が盛り上がりました!!
仕事に関する考え方、原子力について、ライフスタイルについて、独創村の大事な中核をなす部分も少しずつ固まっていきます。

流れる風景を愉しみながら、岩手に入ると空気が違ってきました。
少し冷たいけれど、透明感のある、とても気持ちの良い空気です。
いつも不思議でしようがありません。
風の流れが違うのか、森の多いからなのか、とにかくリラックスするんです。

しばらく北上し、東北道を滝沢ICで降ります。
そこから1時間ほどの葛巻町へハンドルを切ります。

だんだん標高が高くなるにつれ、空気も透明感を増してきます。
あいにくの雨模様でしたが、そんなことを忘れさせてくれるほど気持ちの良い高原の空気です。

山道に入り、民家も少なくなってきました。
くねくねとした道を根気強く運転し、長いトンネルを抜けると、「森と風のがっこう」はもうすぐです。
携帯電話の電波も通じない、素敵な山奥です。

話では10数戸しかない集落の学校を改造して建設したと聞いていましたが、
いざ来てみると、想像以上に山奥!! ちょっと心配になってきます。

そんなことを感じていたら・・・見えてきました!
とてもおしゃれな、自然に溶け込んでいる優しい感じの建物です。

車をおりて周りを見てみると、ワクワクする要素がたっぷり!!
最初に飛び込んできたのは、作りかけでしょうか?丸太から切り出した、生まれたばかりの小さなイスがありました。
ちょっとこけが生えた感じが逆にかわいらしく見えますね!
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まずは、おなかも空いたので腹ごしらえ・・・「カフェ森風」に行ってみましょう。
写真をご覧ください。

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屋根が!!!草原になっています。
屋根の上で、走り回ったらどんなに楽しいでしょうか!

壁もかわいらしい色とりどりのガラスがはめ込んであって、ワクワクします。

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出会うもの一つ一つが、私たちの来訪を待っていたといわんばかりに歓迎してくれ、驚きを届けてくれます。
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中に入ると・・・想像通りのあったかーい雰囲気。
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スタッフの方もとても気さくで、自分たちが興味津々で見て回っているところを笑顔で説明してくれます。
うーん、人と人のつながりを大事にしていますねぇ。

そこへ理事長の吉成さんがいらっしゃり、様々なことをお聞きしました。
どの話も、じんわり心が温かくなります。

特に、印象的だったのが演劇のお話。
昔、演劇の世界にいらっしゃった吉成さんは、ここの活動にも積極的に取り入れ、
子供たちと一緒に 体験を通じた遊び=学習活動 をしています。

このような表現が適切かどうか微妙なのですが、知識をどんなに入れても、体験が伴っていなければ自分のものにならない。
情報だって同じで、興味のある情報をネットで見たら、実際に会いに行って五感を使って得られた情報、これが本当の情報だとのこと。

自分もITの仕事をしていて、妙に納得しました。

夏休み、子供たちもここに何泊かして、いろいろな体験をしていくそうです。
これは楽しそう!!

おいしい食事に舌鼓みしながら伺った話は、まるで舞台で演劇を見ているかのような不思議な感覚でした。

さて、ここにはワクワクがたくさんあります。
・電気も水も使わず、バイオの力で臭いも出ない「コンポストトイレ」
・排尿、生ゴミなどの廃棄物を調理用のガスや肥料等の資源に変える「バイオガスプラント」
・太陽光発電と風力発電でほとんどの電気を補っている、自家発電システム。
・空き缶を断熱材として活用した「空き缶風呂」

その中でも、特に感心したのが「コンポストトイレ」です。
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本当に臭いがほとんどないんですよ。
これは、現在私たちが使っているトイレよりも便利じゃないでしょうか?
一つ気になったのは、仕方がないのでしょうが、うんちがたまったら運ぶのが大変そうだなと。
これも何か一工夫で解決できそうな気がしますが、小さな問題です。

エコの時代、クリーンエネルギーといわれていても、現代文化に慣れてしまった私たちとしては、
特にこのトイレ周りは気になる問題。
そこに真っ正面から取り組み、実用化し、生活の一部として活用しているのが素晴らしいです。

うーん、ここに自分の子供たちも連れて来たいなぁ。
こういったことを、自分が教えるのは難しいです。
この「森と風のがっこう」が伝えるシステムは、
「より便利に」「より収入を多く」「より効率よく」という
現代社会へ一石を投じる、人間の身の丈にあったシステムの様な気がします。

今まで、私たちには選択肢はありませんでした。

しかし、リーマンショック、東日本大震災を経験し、大切なことに気づいた人たちが増え、他の選択肢がないか? 模索を始めました。

私自身も、震災のボランティアをしながら生計を立てている方たちに触れ、今の自分の生き方が実は貧しいものじゃないかと感じていました。

消費社会、拡大し続けないと生きていけない経済社会から、次の社会への大事な足がかりをここで垣間見た気がします。

現代社会は子供たち、孫たち、その子孫たちのことを考えて作ってきたシステムとは思えません。
「森と風のがっこう」に来ると、これから自分たちが作り上げる、大切な未来のことを自然に考えてしまいます。

すべては見て回れませんでしたが、楽しみは取って置いて・・・。

みなさんも、ホームページをご覧になってみてください。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~morikaze/index.html

「森と風のがっこう」は活動もさることながら、表現も素晴らしく、ホームページを見ると分かるのですが”わくわく感満載” の作りとなっています。

こういった雰囲気は作ろうとして作れるものじゃないと思います。
やっぱり、心から愉しんで活動しているのだろうなぁ。
一度しかない人生ですから、もっと心豊かに、歩んでいきたいものですね。

投稿者:クマ エリア:みんなの広場他 初出:2011.9.20

Category: いきいき農園, おもしろ工房, みんなの広場

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