しらたまの季節が到来

[ 0 ] 2018年9月3日

お盆が過ぎたばかりなのに、まもなく秋のお彼岸です。

ご先祖様も大忙しです。

秋たけなわがもう目の前、いよいよ例の歌の出番です。

『白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしずかに飲むべかりけり』 若山牧水

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さて、2005年に亡くなった杉浦日向子さんは大の日本酒党でした。

彼女は晩年、病気のせいで好きなお酒をチョビチョビしか呑むことができなくなりました。

しかしさすがに呑む方でも才女です。

『杉浦日向子の食・道・楽』では「大人呑み」をしっかり伝授してくれます。

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『杉浦日向子の食・道・楽』より

九 月 新米から、新酒が生まれ、(蒸し器の)蓋が明くのだね

 青春、来夏、白秋、玄冬。秋は、白いのか。

 秋に白いのは、新米だ。新米から、新酒が生まれ、(蒸し器の)蓋が明くのだね。

 新酒で潔めて、まっさらな白紙に戻れると良いのだけども。

 なにを云ってんだか。さあね。ばからしい。

 やっと世間の夏休みが終わったから、旅に出たい。

 南がいいな。けだるい空気の中、ずべら~っとして、朝っぱらから度数の強い酒呑んで、海と雲を眺めて、腹を出して、大の字。能天気。

 なにを考えているんだか。しようもない。くだらない。

 ばからしくて、くだらないけれども、年々歳々、そうやって歳をとっていく。

 なかには、かしこく、りっばに、歳をとるひとも少しはいるのだろう。

 ちっとも、羨ましくはないけれど。

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 路線バスを乗り継いで、犬の墓に行った。

 小学校から高校まで一緒に過ごした、雑種。

 花屋の隣で買ったワンカップ酒を、墓前で呑み出したら、夕方になり、残りをお地蔵さんに供えて退散した。

 「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」。

 それでも、スプートニク号に積まれたライカ犬よりも、ずっと、しあわせだ。たぶん。

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 帰り道、とても良い酒が呑みたくなり、すごく高い酒を買って、一番上等なぐい呑みで呑むことにした。

 気楽な奴だとおもう。

 酒器は、同じ作家のもの。ずいぶん奮発して、えいやっと購入したおぼえがある。

 酔狂なんだか、魔がさしたんだか。想いがまとまらない、からっぼの、白い秋に、ふと手にしたくなる器。

 小さい方には、たいてい実紫蘇の塩漬けなんかを入れて、大きい方で、特旨の酒を呑む。

 この盃は賑やかで、誰もが独りで生まれて来て独りで死んで行くことを解っていても、安穏になれる。

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もうじき彼岸だ。十万億土の先輩たちに乾杯。

内側に曼珠沙華のような文様!ユニークというか、実に大胆で美しいぐい呑みですね~。

さて、この文章を読んでいると私の思い出もよみがえります。

日向子さんの飼っていた犬は、私が小学校二年生から中学校三年生まで飼っていた(いっしょに暮らしていた)チビとよく似ています。

今でも思い出して、埋めたあたりに手を合わせることがあります。

→忍者犬チビ

お酒の方はといえば、日向子さんほどではないですが、私もたまに薩摩切子の小さなグラスで地元の銘酒をチビリチビリ味わいます。

『綿屋 純米吟醸』『日高見 純米吟醸』『伯楽星 純米吟醸』と淡麗スッキリ系好みの私ですが、秋も深まると少しだけこってりとした酒もいいなと思います。

秋は吟醸酒のかわりに、上の銘柄の純米酒を味わいたいと思っています。

それと『浦霞 純米酒』もいいな~。

by NOBO

Category: キラっと輝くものやこと, ほっこりすること

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